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ゆれる [DVD]
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久しぶりにDVDで鑑賞したが、やはり傑作だとしか言いようがない。既に多くのレビュアーが的確なコメントを残しているので、今さら私が付け加えることは少ないが、まず、兄と弟、親と子、愛と憎しみ・嫉妬、東京と地方等様々な二項対立を手際よく盛り込んで様々なことを考えさせてくれる脚本が素晴らしい。特に兄と弟、東京と地方の対立は二世代にわたるものである点は秀逸だ。「藪の中」のように何が事実なのかはっきりせず、吊橋のゆれが兄と弟の感情のゆれを共振させるようなストーリー展開は何度見ても飽きない。そして撮影の見事さ。俳優を至近距離から捕らえたショット、開いた戸の隙間からわざと画面半分で捉えた食事風景等の構図の面白さ、といった具合に、西川監督の腕が冴えわたる場面は数多ある。
短いカットも、個々の登場人物の性格、心象風景や物語の伏線となっており、神は細部に宿るという言葉がぴったりの作品だ。例えば、法事の席でたたみを拭く兄・稔のズボンになお垂れ続ける酒、弟・猛の残した煙草に鼻を寄せる智恵子、山にかかる月、弟をにらむような魚の尾頭の目等が印象的だ。刑事事件の法廷ものとしても優れている。裁判員に選ばれた人には是非観てほしい映画だ。
最後に、兄・香川照之と弟・オダギリジョーの演技のぶつかり合いの迫力。両人にとって本作は代表作として長く記憶されるだろう。
いいものを見させてもらいました。
見る前に色々とレビューを見て
かなり「ドロドロ」したものを想像していたのですが、
私の感想としてはそうでは無かったです。
もちろん「重い」話ではありましたが・・・
「狭い街で実家の家業を継いだ長男」:香川照之
「父親との折り合いが悪く、家を出て、東京でカメラマンとして成功した次男」:オダギリ・ジョー
全くタイプは違えども二大名優のすごさを堪能できました。
特に香川照之の
ちょっと壊れた人間の
演技は鬼気迫る素晴らしさです。
裁判物としても良くできてる脚本で、
弁護士「蟹江敬三」、
検察「木村祐一」もかなりいい味でした。
一時の激情。奥底に眠る感情。自分でも気づかない思い。
人間の感情の複雑さを感じさせられた映画でした。
余韻のあるラストは主題歌で補完されます。
人間のあらゆる感情がこの映画には表現されています。
マイナスの部分もプラスの部分も。
そしてそれを支えているのは何よりキャストの演技力。
素晴らしい。
それと演出。
この監督は・・・なんと32歳(公開時)。
いやぁ。
こんなに映画で精神的高揚感を得たのは「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」以来かも。
物語はいたってシンプル。
ただ、そのシンプルさゆえ、キャラクターの演技ひとつひとつでいくらでもこちらも
感情を乱され、一時も目が離せない。
香川照之さんとオダギリジョーさんの演技は秀逸。
香川さんの表情一つで、雰囲気も感情も、こちらがまさに「ゆれる」
オダギリジョーも言葉は少ないものの、香川さんにも負けない「眼力」で微妙な感情をよく表現していました。
裁判所での宣誓からのシークエンスはすごかったですね。
そして、兄弟間での微妙な距離感は、実際兄を持つ私からもわかる部分もありました。
何もかも知っていたであろう兄・・・
そして何もかも奪った弟・・・
そのまさに「ゆれ」を、見事に映像化しているのこ映画は、
日本映画史に残る見事な作品として名を残すのではないでしょうか。
このレビューの多さがそれを物語っていると思います。
故郷を離れ東京でカメラマンとして自由奔放に生活する弟(オダギリジョー)と実家のガソリンスタンドを継いで田舎で父親と2人で生活する兄(香川)。母の一周忌で実家に帰省した際、兄、弟、幼なじみの智恵子(真木よう子)と出かけた渓谷で、智恵子が吊り橋から転落死してしまう。そのことをきっかけに今まで危うくもどうにか均衡を保っていた兄弟の関係が崩壊していく・・・。
本筋のストーリーはすごくミニマムな兄弟の話だけれど、その中に都会と田舎、搾取する側とされる側、いろんな構図が見えてくる。西川美和さんっていう若い女性(しかも可愛い)の原案・脚本・監督だけどすっごいですこの人!! 初監督作品の「蛇イチゴ」もすごく良かったですが、2作目にして作品の深みがより増しています。あと演技も香川照之がとにかく良いし、オダギリジョーも今まで観た映画の中で一番飛び抜けていたかと思われます。
まだ観てない人はぜひ、おすすめです。
人の機嫌を伺いながら、田舎のガソリンスタンドで働く兄。東京で写真家として成功し自由に生きる弟。
兄が人を殺す場面を目撃した弟は兄をかばう。しかしそれは「自分が殺人犯の弟になりたくないからだ」と兄に見抜かれた弟は「本当の兄を取り戻すため」の供述を始める。
始めは世間体を守るため、次は自身のアイデンティティを守るための供述をする弟はどこまでも利己的であった。対する兄は、裁判が有利に運んでいたにも関わらず、最後になってなぜ弟を動揺させるような発言をしたのだろう。彼の言う「くだらない人生」を取り戻すことに意味を見出せなかったのか、自分には戻る場所がないと悟ったのか、弟を試したのか・・・・・・
初めてオダギリジョーの良さが理解できたかも。
2度目の鑑賞。

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