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ディア・ドクター [DVD]
ディア・ドクター [DVD]
参照データ
タイトル :ディア・ドクター [DVD]
発売日 :2010-01-08
監督 :西川美和
出演 :笑福亭鶴瓶
販売元 :バンダイビジュアル
JANコード :4934569634863
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☆切ない余韻の残る邦画☆

 やはり多面体。 (2009-12-14)by くしゃみ
前回の『ゆれる』がとても好きで、西川監督に注目していた。

今回の『ディア・ドクター』も、一筋縄ではいかない作品。
観たあとでさまざまなことを考える。

何が”ホンモノ”で何が”ニセモノ”か、わからなくなる境地へ
観る者を連れていきつつも、よくあるヒューマニズムの押しつけにならないのはさすが。

うすうす伊野のインチキに気付きながらそれでも傍にいた看護師、
元同業者だった伊野と取引しつつも複雑な感情を抱く製薬会社営業マン、
医者になってすぐ、「この人こそ本物の医者だ」と心酔した人が実は”ニセ”だったと知る研修医…。

井川遥演じる女医や八千草薫演じる母親、失踪後の操作に係る警部たちも含めて、
様々な立場の人のもつ思い、そしてそれぞれの人の内側にひそむ多面性を
あぶりだしていく。
結局姿は出てこない伊野の両親のように、チラッと登場する人物まで
後々までこちらの印象に残る作品だった。

ただし、個人的には『ゆれる』の方が好きだったので星は4つ。

 そろそろ… (2009-12-03)by かん
12月に入り、そろそろ今年のベスト10を決めようかなと勝手に思って書きます。去年は「ぐるりのこと。」がダントツの1位で、2位の「おくりびと」とは大きな差がありました。そして今年、文句無しで邦画の1位は「ディア・ドクター」です。ぶっちぎりです。正直他に良い邦画はあまりなかった。結局2位はオーソドックスな話を上手に見せてくれた「カフーを待ちわびて」かな。ワーストだったら迷わず選べるんですけどね。「なんとかの花嫁」とか「るーきーず」とか。「むう」もなかなかひどかったな…

 西川美和おそるべし (2009-11-04)by 一色町民
結論から言うと、やっぱり西川美和はすごい監督だ。脚本も自身で手がけ、揺れ動く心の奥底を鋭く描く。若干34歳の女性監督とは思えません。
デビュー作「蛇いちご」は。口から出任せで生きている詐欺師とその周辺にいる人々の物語で、最後は詐欺師が逃走して終わる話でしたが、本作はヒューマンドラマであるものの、詐欺師(?)の話ではありますし、人間の善悪どちらともつかない内側を描いていますが、笑いを誘うシーンも多く、前作よりソフトな作りになっています。

回想シーンはすべて、最初に起きた失踪の謎解きとして配置されており、どんなに些細な出来事にも観客は過剰反応する仕組み。地味な人間ドラマを、エンタテイメントに変換するシナリオ構成は凄いです。そこに、人間を見る目の確かさ、女性らしい優しい視線が加わるわけで、ゆったりしたテンポだが、警察の調査などを話の間に挿む工夫もあって、2時間余はあっと言う間に過ぎます。

伊野を演じた笑福亭鶴瓶は、柔和な笑みを満面にたたえているのに、目だけは感情が欠落している。その暗黒の深淵は、全能感と不安、だましているという良心の呵責が混在しているわけで、複雑な胸中を目だけで演じる存在感が圧倒的です。
研修医を演じた瑛太は、伊野の医療に畏敬の念をいつしか抱くようになるが、その本質を見抜けなかった自分の愚かさや突然の裏切りに狼狽しながら、その反面何事もなかったかのように刑事の前で淡々と話す姿とその複雑な表情は見事。
余貴美子の迫力(伊野に胸の空気を抜く手術を指示する目の凄さ!)、香川照之の狡猾さはいまさらながらですが、『上手い!』と唸らされます。そして八千草薫さん。存在感だけで凛としたものがありますが、ある意味女の色気すら感じさせられた。最後の微笑みは意味深な、いわばモナリザの微笑みですかね。「責めない」ことと、「ゆるす」こととは大きく違います。それが、そのことだと思います。

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