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愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]
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理屈っぽいレビューになりますが,この作品を小説で読んだとき,「自己決定権」を文学として美しく昇華させた,素晴らしい作品だと思いました。
この作品の中で彼女が選んだ選択肢は,客観的に誰が見ても正しいというものでは多分なく,主人公は彼女の選択肢を正すこともできる立場に置かれるのですが,「客観的に見て正しいこと」あるいは「みんなが正しいと思うこと」と,その人の「個人としての尊厳」を守ることは時に矛盾・衝突することがあります。そういうときに,個人の尊厳を守るために主張される権利が,自己決定権という権利で,90年代には法・哲学の世界で盛んに議論されました。
自己決定権という言葉は,ときに,「髪型を自分で決める権利」というような極めて卑近な問題にも使用される概念ですが,真の自己決定権とは,その人の尊厳,人格的生存に関わる問題について,大義名分や世間の価値観ではなく,その人自身の選択を尊重するものであり,極めて孤独だけれども力強くて美しい概念です。
この,「愛を読む人」(「朗読者」という題名の方が感情を拝していてよりエモーショナルなのに,というレビューには大賛成です)は,まさに,この,孤独で力強い自己決定,個人の尊厳とは何かということと,それを尊重することが果たして正しいことなのか,という悩みが,とても美しくて胸にせまる形であらわされているというのが,私の感想でした。作者は,ドイツの弁護士であることや,作中の主人公の父親が哲学者でありまさに人間の尊厳を語っていることからも,そうなのではないかなぁと思っています。
しかし,それにしても,手紙の一通くらい書いてやってよ!というが正直なところではありますが・・・。
と,長々と理屈っぽいことを書いてしまいましたが,この作品の映画化を成功させた要因のうち最大のものは,なんといってもケイトウィンスレットの抜擢ではないでしょうか。映画化される前から,ヒロインを演じるのはケイト・ウィンスレットがぴったり!しかも,タイタニックの頃の彼女ではなく,今の彼女がぴったり!と思っていたのは私だけではないと思います。ハンナを演じるケイト・ウィンスレットを見るだけでも,この映画を見る価値があると思います。
確か原作は「B型自分の説明書」で有名な文芸社が出した「消せない記憶」にそっくりだと、評判が悪かった本ですね。
シーンが継ぎ接ぎだらけに見えるのは私だけですかね。
何か無理やり観客を感動させようとしている感じがして、観てて白けるんです。
全国ロードショーにもならなかったですしね。
作り方全体が安易です。
この作品は原作を歪める事無く映像化されていると言える。
衝撃的なストーリー、男と女、それも青年と中年女性の心の動き、時間の経過によるお互いの人生、思わぬ急展開とそれに対処する人間の心理描写、そしてエンディング。
しかし何よりもこの作品がすばらしいのは、社会的な広がり。ドイツが抱える過去の病巣に真正面から向き合い、臆する事無く答えを探している剛健なドイツ人の作品であると言う事。
過去に触れたがらない、より多くの我々日本人が見てほしい作品であると思う。
出会いは不思議だ。偶然知り合った年上の女性ハンナとの狂おしい愛の生活に耽溺する少年マイケル。なぜかハンナは自分のために本を読んでくれと言う。いつしかそれは甘い日常として定着していくのだが、アンバランスさの中に住む二人に別れの日がやってくる。深い喪失の日々から立ち直ったかに見えたマイケル。ところが思いもかけぬ場所で厳しい状況に置かれたハンナに出会う。自らの秘密が露見することを恐れるばかりに刑務所に送られてしまう彼女。前半の濃厚なラブシーンが目に焼きついているだけにそこでの辛さは倍加して胸に痛い。ハンナを救うことができなかった、いや救わなかったといってもいい重い過去はマイケルの生き様にも影を落とす。ついにマイケルは昔のように本を朗読し、テープに吹き込んで彼女のもとに届ける作業に贖いを求める。彼女もそれをよすがに生をつなぐのだが・・・。秘密と引き換えた大きすぎる代償に翻弄されるハンナ、してもし尽くせぬ後悔を味わうマイケル、両者の姿はあまりにも悲しくひしひしと観客の心に沁みわたっていく。その悲しみの中、本を読むという行為だけが二人を繋ぎ、聖なる福音のように響くのを感じることだろう。この作品、悲しみをもってして魂を浄化できる者だけが見ていい作品なのかもしれない。悲しくかつ厳しいストーリーだがいい映画だ。
たったひと夏の出来事が、その後の人生を変えてしまう。
多感な時期にあんな経験をしたら、その影響力は計り知れない。
少年時代のマイケル役があまりにみずみずしく輝いていたおかげで、
レイフ・ファインズに変わってからは感情移入がしにくくなってしまった。
常識的とは言えない二人の関係が長く続くわけはなく、
蜜月の時期でさえ終わりの気配や不安定な空気が漂ってきて
切なくなる。
特にサイクリング旅行のシーンは、楽しそうな二人がキラキラと
眩しくて、涙が出てきてしまった。
幸せだったあの夏の日、数十年後に全てが終わってあの思い出の
場所を再び訪れたのが寒い冬だったのは象徴的だと思う。
彼女が犯した罪や、重すぎる判決を受け入れてまで隠したかった
秘密の他にも、ナチスへの罪悪感に苦しむドイツの若い世代など、
様々なテーマが物語に厚みを与えている。
説明不足気味に進んでいく展開がまた良くて、裁判中、
二人が接触したような描写がなかったからこそ、判決の瞬間迷わず
見つめ合うシーンが活きていた。
来なかった面会者が彼であることも、ハンナは疑わなかったのだろう。
最後に彼女があの決断を下したのは、出所したら二人が終わって
しまうことが分かったから。
塀の中と外のやり取りのほうがむしろ濃密で、かけがえのない
関係を実感できた。
彼女にとって、身元保証人と元囚人という関係に成り下がることは
絶望を意味したのだと思う。
裁判で無期懲役を言い渡された時よりも。
ケイト・ウィンスレットがすごいことになってきた。
老けたとか体型がどうとか、そんなことを超越した女優になっている。
アカデミー賞受賞時のスピーチじゃないけど、メリル・ストリープを
越える日が来るかも。
ただ、邦題のセンスは残念だった。
感情を排した『朗読者』というシンプルな言葉のほうがかえって
エモーショナルなのに。

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